カノン
2002/07/09

最近「パッヘルベルのカノン」を聞く機会が多いのですが、私が言うまでもなく良い曲ですね。CDも多数出ているのですが、こんなに種類があるとは思いませんでした。 カノンの紹介サイトはこちら

このリストによると、ポールモーリア(この人は当然か)、山下達郎、宮村優子(ご存知、エヴァのアスカの声優さん)なんて人もカバーしています。 で、このカノンという形式。音楽史的には、「厳格な模倣手法による対位 的書式。まず主題が呈示され、適宜な間隔を経て応答の部分が続く」と定義できるのですが、要はフレーズの反復を主たる技法とする音楽形式、すなわちミニマルミュージックやテクノの音楽語法である、とも言えます。

事実、ミニマルミュージックというと必ず名前が上がる作曲家スティーブ・ライヒはカノンという楽式に言及し、ライヒの音楽語法を支えるもののひとつと言っています(ライヒ本人は『ミニマルミュージック』というジャンル分けを嫌っており、ミニマルとはいっていないのですけどね)。

パッヘルベルのカノンでは、「ドソラミファドファソ」の2小節を28回繰り返し、2小節ずつ遅れながら1度の平行カノン(後続声部が、先行声部をそのまま繰り返す)で3つのバイオリンが旋律を奏でていきます。 このオスティナートをコード進行にすると「D-A-Bm-F#m-G-D-G-A」となり、その後、引用されたり、借用されました。

なにぶんパッヘルベルは17世紀の人なので、もう著作権はありません。 パッヘルベルのカノンで何が美しいかといえば、例外のない規則に基づいて作られていることでしょう。前述のように3声と通 奏低音による平行カノンで、2小節のフレーズは例外なく声部を移りながら3回リピートされています。

音楽を情念の発露か何かと思っている人には、何が何やらわからんでしょうけど。


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